LEDの利点
LEDヘッドライト最大の魅力は消費電力の低さです。ハロゲン60/55W球を同等の明るさで置き換えても、LEDは20W前後で済み、発電が小さな原付二種や旧車でもバッテリー電圧が安定します。低発熱ゆえ反射鏡が熱で劣化しにくく、色温度6500K付近の白色光は標識や路面ペイントのコントラストを高め、夜間の視認性を向上させます。寿命は公称2万時間以上で、ハロゲンの約10倍。球切れを気にせずロングツーリングに出かけられる安心感は大きいでしょう。
さらに振動に強い固体光源なので未舗装路や高速走行でフィラメントが切れる心配がほぼありません。発電負荷が下がる分、電熱ウェアやナビのUSB充電に余裕を回せるのも実用的なメリットです。
取付手順
作業は「バルブ交換」「配光確認」「放熱対策」の三段階です。まずカウルまたはヘッドライトユニットを外し、H4やHS1など既存のバルブ形状を確認します。近年のLEDバルブは後部に冷却ファンや大型ヒートシンクを備えるため、奥行きに余裕があるか測っておきましょう。
次にカプラーをLED専用ドライバーユニットに接続し、車体側のギボシ端子が緩んでいないか点検します。取付後はガレージの白壁にバイクを垂直に立て、ロービームでカットラインが水平方向に出ているか確認してください。光軸が上向きだと対向車を眩惑し、車検で不合格になる原因になります。
放熱対策として、ヒートシンク周辺に配線やETC車載器が密着していないかチェックします。LEDは熱に弱く、温度が85℃を超えると一気に光束が低下するため、取付スペースに余裕がなければスリムヒートパイプ式のモデルを選ぶと安心です。
法規チェック
道路運送車両法の保安基準では、ヘッドライトは「白色または淡黄色」であり、前照灯として国土交通省令で定める基準に適合することが求められます。
具体的には配光特性がJIS D5500、ECE R112、SAE J1383などいずれかの規格を満たすことが条件です。車検場ではロービーム(すれ違い光束)で前方10mの高さがカットラインの基準内に収まり、光度が6400cd以上あるかが検査されます。市販の汎用LEDバルブは「車検対応」「ECE認証取得」と明記された製品を選ぶと安心ですが、レンズカットがハロゲン用の旧型リフレクターに組み合わせると光が散ることがあります。
その場合はLED専用リフレクターかプロジェクタータイプのアッセンブリごと交換するほうが確実です。光量アップを狙って6000Kを超える高色温度を選ぶと雨天や霧で却って視認性が落ちるため、公道では5000〜6000K程度が推奨されます。また、2021年以降の新車ではロービーム常時点灯(オートライト)義務化により、昼間もヘッドライトが点灯します。LED化すると日中の消費電力を抑えつつ被視認性を高められるので、安全と省エネを同時に実現できます。
車検証の備考欄に灯火類変更の届出は不要ですが、光軸調整と色味、刻印の有無を確認し、法令に適合した状態で次のツーリングへ出発しましょう。
